現代版、木陰の涼しさがここにパッシブ住宅として完成するのです。「土壁の家」を現代流に復活させる昔の建物の良さを、土壁に求める人が多いと思いますが、土壁は温熱環境的に見ると、二つの大きな役割がありました。それは、熱を蓄えることと湿気を調節することです。この二つの機能は、健康で快適な居住空間を得るためには欠かせないものです。しかし、合板フローリングとビニールクロスなどで代表される現代のペラペラな家では、二つとも期待できないものとなりました。熱を蓄える材料で居住空間が構成されていると、室内の温度変動は安定的になります。例えば、暖冷房をオンしている時とオフ時の温度変動が少ない、昼と夜の温度差が少なくなるなどですが、現代のペラペラ住宅では、暖冷房スイッチを入れれば、すぐに効き過ぎるくらいに効く、消せば、アッと言う間に元に戻ってしまう。昼は暑過ぎる、夜は寒過ぎると極端な動きを示します。また調湿機能のない材料でつくられている居室では、ベトベトと湿るかと思えば、カラカラと乾燥し過ぎたりと、湿気の変動も極端になります。土壁はこの二つの機能を合わせ持つ素晴らしい材料だったのです。ことに夏季においては、その性能をいかんなく発揮しました。湿気の調整は当たり前として、夜の涼しさを蓄熱容量の大きい土に蓄え、日中の暑さに備えたのです。
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