実は、意外かもしれないが、戸建て住宅のトラブルはマンションよりも多い。財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住宅相談と紛争処理の状況」によれば、2008年度の紛争処理状況を見ると、住宅種別の内訳は、戸建注文(41%)、共同分譲(32%)、戸建分譲(25%)の順になっている。なぜ庶民が「夢の一戸建て」と憧れをいだく戸建て住宅でたくさんの欠陥が生まれるのか。ある施工業者によれば、「夢の一戸建ては無法状態の中で造られている」と言うのだ。内情をこう話す。「監理者不在の現場が多いことと、予算と工期です。監理者はいても、大規模マンションのように監理者が常駐することもなく、建売りの現場は一棟一棟に監理者がいるわけではない。当然全部をチェックすることはできないですよね。また予算と工期です。注文住宅は当初の予算の制約がありますし、建売住宅は予算を切り詰めたい業者が値切りに値切ってくる。お金がないということは建材もできるだけ端材・残材を出さないようにしたいが、そのためには細かい手間がかかる。しかし、時間がないために、細かい手間をできるだけ省きたい。そこで起こる手段がローコスト化という名の手抜きなのです。代表的な事例が、本来、一本・一枚で使うべき木材をいくつかの木材を合わせて使ってしまう。または本来、使うべきでないもので代用すること、なのです。たとえば本来、一本モノでなければ強度が出ない耐力壁は一本の木材を使うべきなのにいくつかの木材を接着して使用するということもありますし、固定する釘の種類や問隔は法で定められているのですが、これを無視することもあります。耐力壁となる構造用合板が連続していないというのも多い。構造用合板とはしっかり躯体に固定することで耐力壁となるボードです。しかも、足りない部分を石膏ボードで埋め合わせるとか……」(施工業者)
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