中古マンションの値下がりがきっかけ

2011.11.25

地価税を含む土地税制改革は結局骨抜きになり、「土地神話」を崩壊させるような抜本的な解決策にはならなかった。しかし、それは不動産をめぐる状況にまったく影響を与えなかったわけではない。税制改革について論議すること自体が、不動産の先安感を生じさせたのである。政府税調のほうも、むしろそういった効果を狙っていたフシがあるのだが、NHKの特集番組をはじめとしてマスコミの論調もほとんどが「地価が下がるぞ」といった調子だったので、そのアナウンス効果によって買い手側に「いま買っては損」というムードが広かったのだ。

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不動産の値下がりは、まず九〇年五、六月の中古マンションの値崩れからはじまった。そもそも中古マンション市場は、売り物件が増えていた。金利アップや大蔵省の融資規制によって資金繰りの苦しくなった不動産業者が、資金を回収するために手持ちの物件を手放しはじめていたからである。そこへきて買い控えムードが定着したため、中古マンション市場はすっかり買い手市場に変わったのである。自由主義経済のもとでは、モノの価格は需要と供給の関係で決まる。いくら土地の供給に限界かあるといっても需要がストップすればバランスが崩れて供給過剰になり、価格は下がる。つまり現在の値下がりは国の地価政策によるものではなく、通常の市場原理に基づく自然なものだということである。