日本の住宅は現在の世帯数を一〇%上回るだけの戸数があり、量の不足はなくなったといわれているが、住宅とは呼べないものがたいへん多いのである。第二に住生活は住宅の広さと居住者の数、つまり居住密度が適正に対応していなければ、健康で快適な住生活を営めない。しかし、わが国ではそれをチェックし保障しようとする政策は一切ないのである。数年前、神戸の県営住宅2DKに中国からの引き揚げ者が七人で住んでいた。そのうち四人は長男と三男の二組の新婚夫婦である。
[参考]
> 新宿の中古一戸建て
> 亀岡の中古住宅
> 千葉市若葉区の中古住宅
> 武蔵小杉の賃貸
> たまプラーザの分譲マンション
面白くなくて毎日酒を飲んで暴れる次男を母親と長男で殺してしまった。言葉の不自由さや生活習慣の違いかあったとはいえ、超過密居住が一因であったことは否定できないだろう。しかしこのようなことは欧米では原則として生じないのである。たとえばイギリスでは不適格住宅という概念が確立している。その内容は、給水給湯のない家、浴室・便所・台所のない家、自然採光・自然換気のない部屋および地下室で居住している場合、老朽化がいちじるしい家、一部屋に二人以上、二部屋に三人以上の過密居住の家−―これらの家を居住監視員が発見すると改善命令を出し、そのかわり改善費用を援助する。改善しなければ居住することを禁止する。老人など、自力で改善する能力のない場合は、公営住宅をあっせんしたり、自治体がその家を買い取って修理し、改めて公営住宅として貸すのである。